2015/12/21

大根のはりはり漬け


大根を切り、大根を干す。
数日干すと冬の寒さがひしひしと大根から水分を奪い
やがて干からびて、
大根は別物に生まれ変わる。

大根はヨシオさんの畑で採れたものだ。

ある日
玄関先に採れたてのものが置いてあった。
直接、礼を言おうとしても
恥ずかしがり屋のヨシオさんは
いつもピューと逃げていく。
そして、知らない間に、玄関先にまた採れたての野菜を置いていく。
感謝。


大根を切り、大根を干す。
冬の寒さがひしひしと大根から水分を奪い
やがて干からびて、
大根は別物に生まれ変わる。

ハリハリ漬けの出来上がり。

今年は暖冬とのことだが
それでもやがて本格的に訪れる冬の寒さにも感謝。

Photo and Cook by Satoko Okudaira



2015/12/19

杉本博司の床




この前、蝉が鳴いていたと思ったらもう師走の大詰めだ。
時間が過ぎるのが早くて嫌になってしまうよ、ほんとに。

このところは、
手塚眞監督の新作映画関連の仕事をやらせてもらっていてやや忙しく、
その上、あれやこれやとやらなければならない野暮用も山積みで
まさしく師走の慌ただしさだ。

さて、そんな中ではあるが、これだけは見逃す訳にはいかないと、
閉会間近の杉本博司展『趣味と芸術―味占郷 / 今昔三部作』に
なんとか出かけて行くことができた。

久しぶりの千葉美術館。

会場に入るとまずはドーンと「海景」に取り囲まれる(冒頭の写真)。
鉛の額に納められた大判プリントが作り出す重厚な空間は まさに静謐そのもの。
あっという間に、師走の慌ただしさが頭の中からスポーンと抜けていった。

そして「劇場」「ジオラマ」の大作品展示が続く。
いずれも、数十年かけて撮り続けられている氏の代表作とも言えるシリーズ作品で
そのシリーズ最初の作品と、最新作が含まれる所謂「今昔三部作」。
なかでもジオラマ新作の「オリンピック雨林」が、でかくてすごい。
確かに写真の中では偽物のジオラマが本物以上に本物に見える。


階を降りると本展覧会の目玉「趣味と芸術―味占郷」だ。
(千葉美は7階8階に分かれている)

これは、杉本博司が架空の料亭の亭主に扮し、
様々なゲストを、床の間のしつらえと料理でもてなすという、
婦人画報誌に連載された企画「謎の割烹、味占郷」を再現したもの。
そこで考案された床のしつらえや、 料理を供するのに使われた器などが展示されている。

で、これが素晴らしいのひとこと…
こんな感じです。

お盆の中にちっちゃなお釈迦様が

こちらは西洋骨董のキリスト像。軸は建築家、堀口捨己の短歌

かつては古美術商を営んでいたという目利きの杉本博司ならではのコレクション、
軸や置物、自らの作品などが織りなす(料理を含め)絶妙の組み合わせや、
はたまた斬新な組み合わせの数々…。
それらを支配する圧倒的な美意識にうっとりするやら、
はたまたそこかしこに見え隠れするユーモアに、にんまりするやらで
まるで夢を見ているかのようなひと時を過ごした。

一番右の軸は女性の背中の解剖図ですね。

なお、展覧会では
生花を使えず、ということで花は須田悦弘の木彫作品が使われている。
不勉強ゆえ、この作家のことを知らなかったのだが、
本物と見紛うばかりの草や花を木彫で作り出し、
一風変わった展示の仕方で見せる現代美術作家とのこと。
で、この繊細な細工を施された草花が本当に美しい。
そして、前述の杉本博司が作り出したしつらえの中に、
ぴったりと収まり、えもいわれぬ趣きを見せていた。


これは、本展覧会のためのしつらえか、銅の大升に、泰山木の花(木彫)

ところでこの展覧会、写真撮影OKということで、
しずーかで、おごそーかで、うすぐーらい美の空間に、
シャカー、かしゃ、シャカー、シャカー、カシャと
観客たちのスマホのシャッター音があちこちで鳴り続けるというのも
なんだか、とても不思議な光景だった。
ひょっとしたら、これも計算されたアートかしら?

ま、いずれにしても、贅沢で夢見心地なひと時はあっという間に過ぎ
気がつけば、閉館間近になっていたのだった。

脳みそフワフワ状態のまま、美術館を後に一歩外に出る。
そこにはクリスマスソングが鳴り響く街と、師走の慌ただしさが待っていた。
さ、早く帰らなきゃ。


杉本博司『趣味と芸術―味占郷 / 今昔三部作』は12月23日までの開催です。)


Photo  by Satoko Okudaira


2015/10/14

マライア「うたかたの日々」再発!


1983年に発表されたマライアの傑作アルバム「うたかたの日々」が、NYのレコードレーベル「Palto Flats」から世界に向けて再発されました。
なんとうれしい事に、45回転12インチアナログ盤2枚組という、32年前に発売された形式そのままでの再発です。
で、当時僕が手がけたアートワークもそのままに再現されてるらしい!

清水靖晃氏から届いたプレスリリースによると以下のようになっています。

ーーーーーーーーー
清水靖晃を中心に結成された実験的ロックバンド 、マライアが1983年にリリースしたアルバム『うたかたの日々』。
幾度となく再発され続ける程、傑作と推すファンも多いこの1枚が今回、ニューヨークのレーベルPalto Flatsから全世界に向けリイシューされます(日本国外向け)。
今作の再発盤では、オリジナルの発売当時と同じくLP/12インチ 45回転 2枚組で完全復刻。
更には、ドイツのDubplates and Masteringにてリマスターが施されたほか、ジャケットイラストを手掛けた、デザイナー、奥平イラ氏の(当時書き溜めていた作品の中からの)アディショナル・イラストも追加された特別仕様になっています。
音楽ウェブマガジン Resident Advisor のニュース記事も合わせてご覧下さい。
ーーーーーーーーー

そう、その通り、
そのままに再現だけではなくオマケで、当時描いていた未発表イラストレーションも新たに加えました。

しかーし、9月18日に発売されたこのレコード、現在の所、僕の手元にはまだ届いておらず、イラストがどのように使われているか、ちょっと分かりません。
うーん、どんなんなっているのかなあ…、楽しみだなあ…。

ちなみにGoogleでマライア「うたかたの日々」の画像検索かけてみたら、こんな感じでした。
…なんだか壮観。




2015/10/06

R.I.P. 長野さん

フライ・コミュニケーションズの長野さん(南風椎さん)が亡くなった。
9月9日のことだという。

長野さんが東京を離れられて以来、十数年はお会いすることが出来なかったが、フェイスブックのおかげでここ数年はまた連絡がとれるようになり、季節のご挨拶や、近況の報告をしていた。
書き込みで、ご病気にかかられたのは知っていたのだが、陰ながら快復を祈るのみだった。
そして今、突然の訃報に驚いている。


長野さんには昔、本当にお世話になった。

長野さんの手がけられた展覧会や、出版物には、いろいろと参加させていただいた。

アート作品をファイルして限定150部だけ刊行される「ART WORKS」
神をテーマにアーチストそれぞれのオリジナル本を作る「神展」(新宿東長寺)
廃棄物やゴミをアート作品に再生する「ヴァクテリアート展」(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)
死者に捧げるオリジナル本を作る「R.I.P.展」(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)
等など…


一番思い出に残っているのは1993年にマガジンハウスから発売されたCD-ROM作品「CATALOGUE OF NEW YORK CITY」だ。

長野さんが企画、構成したこの作品は、ニューヨークに暮らす様々な人々のライフスタイルを紹介するマルチメディア作品で、僕はこれのアート・ディレクションや、CGイラストレーション制作を担当させていただいた。
当時、こういったインタラクティブ・メディア、マルチメディア作品はまだまだ黎明期で、その制作は僕にとっても、また長野さんにとっても、ほぼ初めての経験だった。
よって作業は慣れない事も多く、なかなか大変だった。
何度も何度も打ち合わせを繰り返し、出来上がったものをまた何度もやり直しした。
だから時間はかかったけれど、出来上がった時の喜びはひとしおだった。

その当時、僕は恵比寿に住んでいて、南青山の長野さんのオフィスには割合と近く、打ち合わせにはいつも自転車で六本木通りを越えて通っていたのをよく覚えている。
打ち合わせの後オフィスで、また近くのバーに連れて行ってもらって飲んだりしたのも、良い思い出になっている。


長野さん、お世話になりました。
本当にありがとうございました。
本当は直接、感謝の気持ちを伝えられればよかったのですが、チャンスを失ってしまいました。残念です。
安らかにお休みください。


「ART WORKS」に入れさせてもらったシルクスクリーン作品(86年くらいかな?)。
長野さんにも気に入っていただけたようで、その後出版されたグリーティングブックにも掲載していただいた。



2015/10/03

「星くずサロン」おしゃれな夜

さて、一昨日おこなわれた「星くずサロン」の二回目はこんな感じ。


まず登場したのは「POiSON GiRL FRiEND avec 加藤みちあき+大津真」のユニット。
ちょっと気だるくデカダンなフレンチテイストな楽曲の数々。

「POiSON GiRL FRiEND」イコール ボーカルのnOrikOさんの別名義との事だけど、90年代には彼女の参加したアンビエント・ハウスな「Angelic House」、フレンチ・ダンス・ミュージックな「Kiss-O-Matic」をよく聴いていたのを後になって気がついた。
なるほど、居心地のよかった筈です。

ちなみにサポートの大津くん(写真左)とは、昔お仕事をご一緒した仲で、実に久しぶりの再会。
この前会ったのはいつだっけ?えー!?もう15年以上も経つのおー?と、なった次第。


さて、ライブにもどります。
前回同様、ナツカシの「星くず兄弟の伝説」の映像も流しーの…


手塚眞監督、エッセイストの犬山紙子さん、映画作家のTORICOさんによる今回のテーマ「おしゃれ」についてのトークコーナーがあって…


そして本日のトリ「野宮真貴+鈴木智文with金津ヒロシ」が登場。
ご存知「東京は夜の七時」などを、しっとりとした感じで演奏した。


ちなみに野宮真貴ちゃんと鈴木智文くんがかつて在籍した「ポータブル・ロック」、このデビュー・アルバムのジャケットは私がやらせてもらっていて、えー!?それってもう30年も前になるのおー?となった次第。
(なんか星くず関係は、こーゆうのが多いなあ)
ライブのシメは、先月シンゴとカンがシャウトしまくっていた「星くず兄弟のテーマ」を、これまたしっとりボッサな感じでカヴァーして、うーん、実に大人な感じ。
まさしくタイトル通り、おしゃれな夜でした。

「星くずサロン」次回は12月1日です。
(ライブ写真は奥平サトコでした)





2015/10/01

星くずサロンVol.2

本日、「星くずサロン」の第二回目。

「星くずサロン」というのは、手塚眞監督による来年公開予定の新作映画「星くず兄弟の新たな伝説」を盛り上げようと、定期的に開催されているライブ・イベント。

「星くずオシャレ大全」と題された今回の出演は、トークに犬山紙子×TORICO×手塚眞、
ライブには「野宮真貴+鈴木智文with金津ヒロシ」「POiSON GiRL FRiEND avec 加藤みちあき+大津真」というオシャレな面々になっています。

詳しくはこちら > 「星くずサロン」


ちなみにお茶目なシーラカンスの「星くずサロン」ロゴマーク、
イラストは(シーラカンスと言えばもちろんこの人)内田春菊さん、デザインは私が担当しました。


あと、このイベントを含め、映画「星くず兄弟の新たな伝説」の盛り上げプロジェクト「星くずプロジェクト」のロゴマークはこんな感じになっとります。
ポップでブキミ…。(こちらはイラストも私)


2015/08/18

「手塚治虫と戦争」公開後


70年目をむかえた終戦記念日の前日、8月14日に
WEBコンテンツ「手塚治虫と戦争」を公開することができました。
ここ数ヶ月はこの制作にガッツリと取り組んでいたため、
やっと一息ついて遅ればせながらの夏休みをとっているところです。

公開直後にツイッターで公開の旨つぶやいた所、
思いのほか反響があり、数多くのリツイートもしてもらい驚いています。
リツイートによせられる言葉も
「労作」「力作」「必見」というありがたい言葉が多く、
こういう言葉をきくと「ああ、頑張ってやって良かったな」という思いがひしひしと湧いてきます。
皆様、本当にありがとうございます。

  ●まだご覧になっていない方はゼヒ!>「手塚治虫と戦争」


今回の企画の意図は、戦争に関する手塚治虫の体験、作品、メッセージを、
こちらで用意した演出で見せるのではなく、
なるべく「ナマ」のまま伝えよう、という事でした。
必要最小限のマンガ作品に付ける解説文の他は、
全て手塚治虫自身の言葉と手塚治虫が生み出した作品で構成しています。
体験やメッセージに付けた画像も、そのリアルな息遣いを感じてもらうために
紙の汚れや、修正の跡も生々しい原画をスキャンしたものを使いました。

そのかわりといっては変ですが、サイト全体のデザインは
SNSのタイムラインやWEBメディアを思わせる、ユーザにとって直感的に分かりやすい
今日的なWEBデザインを踏襲したものにしました。
そのままではあまりにも、生真面目で重苦しくなりがちな内容を、
明るくシンプルなデザインでサラッと読めるように、、、。
考えてみれば、手塚治虫作品にもよくこういう手法が使われています。
ストーリーがおもーく、息苦しくなってくると、
いきなり無意味なナンセンスなギャグが挟まれ(代表的なのはヒョータンツギ!)、
読者の緊張を緩和するみたいな感じ。
これもある意味、手塚作品の醍醐味ですよね。

それにしても、今回も制作でご一緒した黒沢哲哉氏の「手塚治虫愛」には、改めて驚かされました。
膨大な手塚作品の中から戦争に関するものを選び出し、解説文をつけていただきました。
それだけではなくエッセイ集、講演集、手塚治虫の日記から、この企画に合致したテキスト、
つまり「手塚治虫の言葉」を選び出すという、この企画の「キモ」も担当していただきました。
さすが、、、としか言いようがありません。



さて、おととい16日、盆の送り火という事で
地元、一宮で「燈籠流し」が行われました。
この「燈籠流し」は観光客がどっと押し寄せる盛大なお祭りというほどでもなく、
地元の人達が集まるささやかな催し物といった感じなのですが
その規模感がちょうど良くて、我々も毎年参加させてもらっています。

いつもなら燈籠にイラテック「商売繁盛」「家内安全」といった、
かなりエゴイスティック(笑)な祈願をしたため川に流すのですが、
戦争の事を考え続けた半年を経て、今年は素直な気持ちで、
この祈願を付け加えました。

燈籠はゆっくりと川面を流れて行きました。 Peace




2015/07/22

最上階のレタス


田舎に引っ越してきてからイラテック2号サトコは、庭の片隅を菜園にして野菜を育てています。

野菜を育てるというのは案外手間がかかったりして、自然の野菜が安くで手に入るこの地では、ひょっとしたら買った方が安いんじゃね的な見方もあるのですが、それでも自分ちの庭先でたった今採れたものを食すというのは、得もいわれぬ幸福感があるものです。

そしてかたや、こういうものがあります。
銀座の、日本で一番高い土地であろう一等地に立つビルの最上階で、人工飼育されているレタスたち。

テクノ出身の僕は、これも決して嫌いではありません。
あっちの端とこっちの端。

そんなものが存在しているのが今という時代だと、あらためて思います。


(追記)
なんとなくイメージで、最上階と書いてしまいましたが、ほんとはマチガイ。
銀座伊東屋さんの11階にこのFARMはあります。
そのもう1つ上にはカフェもあって、そちらが最上階でした。
ここで穫れた野菜は上のカフェで食べられるそうです。銀座の地産地消…。


2015/07/20

蓮朝


突然梅雨が明けたと思ったら、いきなりの猛烈な夏がやってきた。
忙しさにかまけて放ったらかしにしていた庭の手入れを、二日間に渡りフラフラになりながらやる。
文字通りフラフラになる。
体重が2キロばかり減る。

この季節はまた蓮の季節でもある。
近くには綺麗な蓮を見ることが出来る場所がいくつかある。
ここ数日中には、きっと見事に咲いているであろう大蓮を見に行こうと思っている。

ところで不思議な事に、自然の蓮池というのは、ある種の不連続性を持っているらしい。
去年まではびっしり見事に咲きほころんでいた蓮池が、今年は蓮自体まったく見当たらないという現象が生じる。
こっちに引っ越してきて最初の夏、近所に見事な蓮池を発見した。
同じく見に来ていたおじさんに話を聞くと「去年までは蓮なんて一本もなかったのになあ…」と言う。
そんなあ、からかって、、、とその時は思っていたのだが、数年間あたりの蓮池を観察していると、どうやらそういう事も有る話らしい。

知っている人にとっては当たり前のことかもしれないけど、からっぽの水面を見つめながら、ひょっとしたら去年の見事な蓮はすべて夢だったのもしれない、、、なんて思いにふけってしまうのも、なんだかちょっと不思議なものだ。


さて、この絵は「蓮朝」
数年前に描いた朝靄の中、瑞々しく佇む蓮の絵。

日が登るとともに蝉たちがいっせいに鳴き始める。
今日も暑くなりそうです。







2015/07/16

「手塚治虫と戦争」

(C)TEZUKA PRODUCTIONS

この春からずっと携わってきた手塚治虫公式サイトの戦後70年特別企画「手塚治虫と戦争」。
ラストスパート怒涛の作業を乗り切り、昨日7月15日、第一弾として戦前戦中編をなんとか公開することが出来た。

思えば、この数ヶ月、手塚治虫作品と向き合う日々が続いた。
特に戦争に関するマンガ作品、手塚治虫の体験談、戦争に対する手塚治虫のメッセージ。
ご存知の方も多いと思うが、手塚治虫ほど、その作品を通じて反戦、嫌戦を訴え続けたマンガ家はいないかもしれないという事に、あらためて気付かされる。
それらをどうやったら、今の時代に伝えられるか、それに取り組む日々…。

 全編公開まではまだまだ作業が続くが、とりあえずは第一弾を公開出来てひと安心というところだ。

さて、なんとか公開作業を終えてほっとしてちょっと一眠り、目覚めた所でテレビから流れだした衝撃的な映像に目を奪われた。

「安全保障関連法案を強行採決」のニュース。
そしてそれに反対して全国各地で声を上げる人々の映像。

戦後40年、今から30年前の講演で手塚治虫はこう語っている。
「(戦後40年経ち、戦争体験が風化し)また、政府がきな臭い方向に向かおうとしている。子供たちのために大人はそれを阻止しなければならない」
この危機感あふれるメッセージを出してから30年。
この国はどこへ向かおうとしているのか。

「手塚治虫にとって、戦争はこうだったんたよ」というコンテンツを真面目に作り続ける事が、今僕が出来ることのひとつだと思っている。


手塚治虫公式サイトの戦後70年特別企画「手塚治虫と戦争」


2015/07/09

Keys and Eyes


カタタカタタカタカタ……、キーボードの日々。


無意識下のパネルたちに、じっとりと見つめ続けられる日々。


2015/06/27

虹と夕焼け


本日の夕焼け。
これ、近年で一番くらいの夕焼け。
あまりの美しさにしばし、うっとり。

ここんとこ、かなりの忙しさでまさしく忙殺状態、
心がガサガサになりつつあったが、
それをゆっくりと癒してくれる絶景でした。

で、反対の空には、なんと!虹が立ってる。
虹の根元の部分だけが、夕闇の紫の中にぼうーと立っている。
雨上がりでもないのに、こんな不思議な現象はじめて見ました。


あわてて庭先から撮ったので
電線写り込んじゃったけど…

という訳で、本日の虹と夕焼けでした。

2015/06/22

星くず兄弟の夜


あらら、仕事に追われてるうちに一週間もたってしまったけど、これは書いておかなきゃ。

先週の月曜日、6月15日に行われた「スターダストブラザーズ・ライブ」に行ってきた。
これは、手塚眞監督、初の商業映画作品「星くず兄弟の伝説」の公開から30周年を記念して行われたもので、当時のこの映画に関わったミュージシャン達が一堂に会したライブ。

「星くず兄弟の伝説」ってナニ?、という方はこちら、手塚眞監督のフィルモグラフィーを参照してください。

僕はこの映画には関わっていないんだけれど、
その数年前に雑誌の座談会で眞さんとご一緒したり(それ以後現在までのお付き合いになるんだけど)、
同じ頃、同様の企画でこの映画の言い出しっぺでプロデューサーである近田春男さんとご一緒したり、、、
(当時はなんだか、にゅーうぇーぶなマンガ家ということでこーゆう席にひっぱりだされる事が多かった気がする)、
また、主役の高木カンちゃん(東京ブラボー!)や、シンゴ(8 1/2!)をはじめ、友人知人が多数出演している映画で、めちゃくちゃ親近感がある作品なのだった。
内容はというと、80年代のポップでキッチュなエッセンスがぎゅっと詰まった、マニアにはたまらん和製ロックミュージカル映画つー感じ。

さて、
あれからもう30年…。
なんか、キミマロみたいになっちゃうけど、たしかにあれから30年。
こんなライブがくりひろげられました。

加藤賢崇MCで、まず、高木完ちゃんがDJとして登場、
80年代ヒット曲連発であきらかに年齢層高めな会場を盛り上げる。
次に永遠のグラムロッカー赤城忠治が自らのバンドを率いて登場。
途中、映画の中で敵役を演じたISSAYや、ロッカーとして再登場のカンちゃんを交え、映画の曲などを披露する。

赤城さんアコギ一本のソロとなり、スペシャル・ゲストとして近田さん登場。
二人でメインテーマ「星くず兄弟の伝説」をしんみり演奏して感動のルツボとなる筈の場面が、赤城さんグダグダで近田さんにしかられる(個人的にはココが、このライブで一番好きです。結局もってくなー、アカギチュージ)。
見るに見かねた窪田晴男と江蔵浩一が助け舟登場して、近田さんも急遽エレピを演奏、なんとか無事、盛り上がった。
そして久保田慎吾のバンド「サニー久保田とオールド・ラッキー・ボーイズ」。
B級ポップ+昭和ラテンフレーバーのサウンドがシンゴらしくてほほえましい。

で、そこにカンちゃん加わり、「スターダスト・ブラザーズ」として演奏を繰り広げる。
最後には全ミュージシャン、手塚眞監督、ゆかりのミュージシャンの方々、
ファン代表ということで野宮真貴ちゃん、サエキけんぞう、綾小路翔、森山直太朗、等など… 、が大集合して大合唱しての大団円となった。
いやー、
面白かった、
懐かしかった。

30年後の星くず兄弟カンとシンゴを囲んで全員集合

で、ライブもすごかったけれど、幕間に手塚監督からの衝撃的な発表も行われた。
なんと「星くず兄弟の伝説 続編を作ります」発言!!
えーっ!ほんと!?

さて、ライブ終了後の控室、これもスゴかった。
まさしく80年代サブカルピーポーの同窓会状態。
そのまま、打ち上げに流れ込んでいったんだけど
じつに久しぶりに旧知の人達と会うことが出来て、本当に楽しかった。

近田さんとも、ものすごく久しぶりに会ってお話しできたのだけれど、
これから作られる新たな続編映画の事に話が及んだ時、
「ここから、また始まるんだよ」とおっしゃった言葉が、とても印象に残っている。
新たなる「星くず兄弟の伝説」…

という訳で、
星くず同窓会な、あつーい夜レポートでした。


2015/06/15

雨が傘からふれば

梅雨空。

窓の外をながめ、ぼんやりと降る雨を見ている。

つい、つい昔懐かしい歌が口をついて出る。

雨が空から降れば
オモイデは地面にしみこむ
雨がシトシト降れば
オモイデはシトシトにじむ

小室等が歌っていたこの詩って別役実だったんだなあ…
と、今更。

別役実と言えば不条理
と、ひとつの不条理が頭をもたげる

雨が傘から降れば…

それは、きっとこんな感じ。
しょうがない雨の日はしょうがない…






梅雨空。

窓の外をながめ、ぼんやりと降る雨を見ている。


2015/06/12

聴く白百合


昨日に引き続き、本日の一枚はこの絵。


同じく2012年の制作。
この年開いた展覧会用に描いたもので
僕にとってこの絵と先の「紫木蓮」とは
仲の良い双子の姉妹みたいな感じ。


タイトルは「聴く白百合」
そのままですね。

何を聴いているんでしょう。


2015/06/11

艶姿紫木蓮



花をいじめる。


ちょっと色っぽかったりする。


「艶姿紫木蓮」
2012年の作品。


2015/06/10

一輪挿し

こんな絵を描いて…


こんな額装にしてみた。


 妻のお気に入りのアンティークのガラス瓶をちょっと拝借。


一輪ざしに見えるかな…?
贈り物、喜んでもらえるかな…?


2015/06/09

A Winged Victory for the Sullen 美しい夢のために(後編)


「この世でもっとも美しいアンビエント」と高い評価を得た1stアルバムから3年、A Winged Victory for the Sullenが去年、2ndアルバム「Atomos」を発表した。
で、これがまたすごく良くて、1枚目に引き続き、ここんところの僕の睡眠導入愛聴盤となっている。


1stアルバムにはそれぞれの曲に、ちょっと長めの、まるで詩のようなタイトルがつけられていたけれど、今回はずいぶんと素っ気なく”Atomos I”から”Atomos XII”の全11曲(なぜか4がない、ボツになったの?)。

と言うのも、このアルバム、英国ロイヤルバレエの専任振付師であり、ダンス・カンパニーRandom Danceを主宰するウェイン·マクレガーによるモダン・ダンス作品「Atomos」のために作られた楽曲とのこと。

このダンス作品に強くインスパイアされたダスティンとアダムは、ブリュッセル、ベルリン、レイキャビクで、2013年の夏の4ヶ月間でレコーディングを敢行(1stは2年がかりだった)、その仕上がりから、依頼されたダンス音楽としてだけではなく、自らの2ndアルバムとして位置づけ発表した、ということらしい。

さてそのせいか、この「Atomos」は前作といくぶんニュアンスを異にしている気がする。
よりクラシカルな重厚さが増していて、アンビエント、ドローンというより、モダン・クラシカルな要素の方が強くなったかな、という感じ。
しかし、チェロ、ビオラ、ヴァイオリン等の流麗で重厚なストリングスと、オルガン、モジュラー・シンセ等によって生み出される深くたゆとうサウンドの合間に、時折ダスティンによるシンプルでありながら美しく切ないピアノの旋律が現れて消える様は、やはり彼等ならではの音世界だと唸ってしまう。
そして、ただただ、うっとりと聴き入ってしまうのだった。

Atomos VI


ところで、この音楽を依頼したウェイン·マクレガー(Wayne McGregor)なる人、僕はそっち方面にあまり詳しくないので、ちーとも知らなかったが、なにやらスゴそうな人らしい。

イギリス、ロイヤルバレエ団の常任振付師で、大英帝国勲章を受勲したりと、ばりばりのアカデミックさながら、ポップ・ミュージックのフィールドとも関連が深いらしく、レディオヘッドの「Lotus Flower」のPVでトム・ヨークの振り付けをしたことでも有名。

あ、これ知ってる。
いきなり変な動き始めて、どうしちゃったの?トム・ヨーク大丈夫?
と、けっこうインパクト強かったもん。

Radiohead - Lotus Flower

それより驚いたのは、彼はいわゆるアンビエント系のミュージシャンとコラボレーションする事も多く、自身の主宰するRandom Danceの作品の為に書かれたスコアからはこれまで、マックス・リヒターの「Infra」、オーラヴル・アルナルズの「Dyad 1909」等が生まれているという!
なにソレ?僕の好きなのばかりじゃん。
恐るべしウェイン·マクレガー、、、、。

と、なるとぜひとも、このダンス作品「Atomos」も見てみたい、と思って探してみると…、
ありました。
短縮ダイジェスト版ながら、上がっていました。
かっこいーです。美しーです。ゼヒ、全編を見てみたいものです。

Wayne McGregor / Random Dance - Atomos

さて、最後の方はすっかり話がそれてしまったが…

という訳で、皆さんも今晩あたりA Winged Victory for the Sullenを、
睡眠導入音楽として試してみては、いかがでしょうか?
きっと、世にも美しい夢がみれるかも、ですよ。


2015/06/08

A Winged Victory for the Sullen 美しい夢のために(前篇)


寝る時にはいつもカナルタイプのヘッドフォンを耳に差し込み
音楽を聞きながら眠りにつくことにしている。
わりあい寝付きの良い方なので、たいていは1曲めの途中か
遅くても2曲めを聴いたあたりですっかり夢の中だ。

そんな睡眠導入音楽として選ぶのはいつも、
当然ながらビートがはっきりしてるものや、ハデでノリノリな音楽ではなく
安らかに眠りを誘う音楽… 、
つまり、アンビエント、ドローン、モダン・クラシカルあたりからの選曲となる。
ま、僕の場合、普段でもこのあたりの音楽ばかり聴いてるんですけどね。

さて、ここ数年でこの睡眠導入音楽として一番聴いているのはなんだろうと考えた時、
すぐに思い当たるのが「A Winged Victory for the Sullen」だ。
ア・ウイングド・ヴィクトリー・フォー・ザ・サレン、
直訳すると「不機嫌のためのニケ(ギリシャ神話の翼の生えた勝利の女神)」?。


淡青のバックに裸の物憂い女性が線画で描かれた美しいジャケットデザイン、
これに惹かれて何の予備知識もないまま聴いたのが、たしか3,4年前のこと。
それが2011年に発表された彼等の1stアルバムだった。
このアルバムに関してはどこかのサイトで「もっとも美しいアンビエントミュージック」みたいな紹介文があったと思うのだが、いやほんと、じつにその通り。
その美しいクラシカル・アンビエントな音世界にうっとりと聴きいってしまった。

あまりにも抽象的なだけのアンビエントやドローンミュージックは、
最初は気持ちよくていいんだけど、
そのうち退屈になり、後になったら何も残らなかったりする。
あまりにもキレイなだけの音楽は、最初はいいんだけど、
だんだんそのキレイキレイさが鼻についたりする。
そんな僕にとって、彼等の「沈みこみ感」と「美しさ」が絶妙なバランスにブレンドされた音楽は、まさしく、どんぴしゃりのツボだったのだ。

さて、どんな人達なの?と調べてみると… 、
ダスティン・オハロランと、スターズ・オブ・リッドのアダム・ウィルツィー、
この二人のプロジェクトだと分かってびっくりした。
両者ともにお気に入りで、よく愛聴していたアーティストだったからだ。

ダスティン・オハロラン(Dustin O’Halloran)はロスアンジェルス生まれ、現在はベルリンを拠点に活動するモダン・クラシカル系の作曲家、ピアニスト。
一般的にはソフィア・コッポラ作品「マリー・アントワネット」のニューウェーブ趣味爆発のサントラの中に、一服の清涼剤のようなピアノ作品を数曲提供したことで有名。
最近はサントラ作品が多いけど、僕は2011年に発表した「Lumiere」がお気に入りで、これも睡眠導入音楽としてよくお世話になっている。

かたやスターズ・オブ・リッド(Stars of the Lid)。
アダム・ウィルツィー(Adam Wiltzie)とブライアン・マクブライド(Brian McBride)によるテキサスで結成されたアンビエント、ドローン・ミュージックの二人組。
前述の理由で僕はドローン系の音楽はそれほど意図しては聴かないのだけど彼等は別。
ストリングスやホーンも溶け込んだモダン・クラシカル感漂う美しいドローン。
2007年に発表された2枚組120分の名盤「Stars of the Lid And Their Refinement Of The Decline」はよく聴いたけど、それ以後、スターズ・オブ・リッドとしては作品を発表していないようだ。
もう、やらないのかな。


さて、このダスティン・オハロランと、アダム・ウィルツィー(スターズ・オブ・リッド)が組み合わさったA Winged Victory for the Sullen。
なるほど、言われてみれば、まさにこのアーティストたちの組み合わせによって生まれた音楽だ。
美しく沈み込むドローンアンビエントに、これまた美しいピアノの旋律。
それらがたんに組み合わさっただけではなく、融け合って素晴らしい相乗効果を生み出している。

あ、彼等の2ndアルバム「Atomos」についても書こうと思ったけど、長くなってしまった。
続きは次回。

とりあえず1stアルバムより「A Requiem for the Static King Part One」のオフィシャル・ミニムービーを貼っておきます。



2015/06/06

妄想ショッピング


ロゴを使ったタグを作ってみた。
○○○につけて並べておけば、ひょっとして誰か買ってくれるかもしれない。


お買い上げの際にはショッピングバッグに入れて差し上げることにした。

お持ち帰りの際には先っぽがちょっとはみ出しますので、
お身体にささらぬよう、ご注意ください。


2015/06/05

海まで走る

毎日、4時前に起床する。
一応目覚まし時計を4時にかけてはいるのだけど、
それより先にたいてい猫に起こされることになる。

「なーなー起きて、なー起きて」と
耳元で執拗にベッドから起き上がるまで鳴き続ける。
きっとこの時間になると僕が起床するというのをしっかりと覚えてしまい、
「もうそろそろじゃない、もう起きるんじゃないの」と教えてくれているようだ。

さて、そんなに早く起きて何をやっているかというと、
しばらくはぼんやりテレビのニュース番組を見たりした後、
調子がいい時は、ヨガを1時間ほどやったりする。
だいたい一日おきくらい… 。

で、もっと調子のいい時は… 、
ヨガ後やおらトレーニングウェアに着替えて、海まで走りはじめる。
だいたい10日おきくらい… 。


東京にいる時はジムで走っていた。
窓からビルを見下ろしながら、トレッドミルの上を黙々と走っていた。

それが、こちらに引っ越してきてからは早朝ジョギングに変わった。
まだ始まったばかりの朝に海に向かって走るというのも、
「こちらでの生活の良いところランキング」のうちの
間違いなく上位の一つだと思う。


家を出て線路をまたぐ大きな橋を渡ると、そこは海を見下ろす峠になっていて
いつものことながら一気にテンションが上がる。
坂道を一気に駆け下り、田んぼの真ん中の道を抜け、
たまに犬を連れた散歩のおじさんや、
ボードを担いだサーファーたちと朝の挨拶を交わしながら走る。

海まで約2キロ。
今度は海辺を北に向かって走り、海に突き出た突堤に向かう。
真正面には、こんな眺めが待っている。


テンションMAXになりつつ(たまに手を挙げて”ヒューッ”とか言っちゃうのがハズカシイ… )、
先っちょまで行ったらUターン。
来た道とは別のルートで家に向かうのだが
最後の最後に今度はかなりキツーイ登り坂が待っているのがタマにキズだ。

さて、家に到着。
海まで行って帰って約5キロ、30数分の早朝ジョギングでした。
あー、気持ち良かった。